著者プロフィール
予防医学研究者 石川 善樹

予防医学研究者・博士(医学)
1981 年、広島県生まれ。東京大学医学部を経て、米国ハーバード大学公衆衛生大学院修了。
株式会社キャンサースキャンおよび株式会社Campus for H共同創業者。
主著に、『疲れない脳をつくる生活習慣』(プレジデント社)、『最後のダイエット』 (マガジンハウス社)、 『友だちの数で寿命はきまる』(マガジンハウス社)、ほか。

DAY1 – NASAが見つけた「働く力」の源

皆さん、突然ではありますが、自分が宇宙飛行士になって、宇宙船の中にいる場面を想像してみてください。
宇宙船の中は狭く、過酷な訓練を乗り越えたメンバーと共に何日間にも渡って一緒に過ごし、それぞれのミッションを遂行しなければなりません。

「小学生の付きたい職業ランキング」にも常にランクインするほど、子供にも大人にも強い憧れがある職業です。

しかし、一見華やかに見える宇宙飛行士という職業ですが、
以前ロシアの宇宙船で、こんなことがあったそうです。

宇宙船の中では、宇宙飛行士は互いに採血することになっていました。
そのとき、ある飛行士が別の飛行士を嫌っていたので、いつもより強く採血の針をさしてしまったのです。
その結果、あわや殺し合いになるのではないかというぐらいの大げんかになってしまいました。
宇宙飛行士同士のけんかを防ぐには、もちろんメンバーのマッチングも大切です。
そして、もちろんその点については十分に考えてメンバーを選んだはずです。

では、なぜこのようなことが起こってしまったのでしょうか?

この問題を知ったNASAは、宇宙飛行士のパフォーマンスについて、さらに研究を重ねる必要性を認識し、メンバー同士のマッチングのみならず、個々の宇宙飛行士の集中力、想像力、共感力が低下しないような感情のマネジメントが必要であるということになりました。

みなさんも心当たりがあると思いますが、機嫌がいいときは大して気にならないような発言も、
イライラして不機嫌なときだとカチンときてしまうことがあります。

では、イライラしないために有効な手段は一体何なのでしょうか?

NASAが出したひとつの結論は、「血糖値を一定にコントロールする」ということでした。

超一流のスポーツ選手である、テニスのジョコビッチは厳しいトレーニングを繰り返してもなお、1位の座を手にすることが出来なかったのですが、いち早く「血糖値のコントロール」の重要性に気づき、技術的なトレーニングのみならず、栄養面のトレーニングにも力を入れたことにより、ようやく1位の座を勝ち取ったそうです。
またビジネス界でも、たとえばP&Gという会社では、「コーポレート・アスリート」という研修プログラムのなかで、1日を通して血糖値を一定の範囲内に保つことが社会人の身だしなみであるとさえ教えているといいます。

ふつう、血糖値は食事をすると上がります。
まず、食べ物のなかに入っている炭水化物という栄養素が分解されて ブドウ糖になり、このブドウ糖が小腸で吸収されて、血液によって体中に運搬されていくのです。
ブドウ糖は生命活動にとって欠かすことのできないエネルギー源ですが、なかでもブドウ糖をもっとも必要とするのが「脳」です。
だからこそ、血糖値のコントロールが仕事のパフォーマンスを維持するうえでも決定的に重要になってきます。

当メールでは「血糖値のコントロール」の重要性について取り上げ、つい誰かに話したくなるような豆知識と明日から出来る生活習慣の見直し方法を 7日間に渡って解説できればと思います。

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