著者プロフィール
予防医学研究者 石川 善樹

予防医学研究者・博士(医学)
1981 年、広島県生まれ。東京大学医学部を経て、米国ハーバード大学公衆衛生大学院修了。
株式会社キャンサースキャンおよび株式会社Campus for H共同創業者。
主著に、『疲れない脳をつくる生活習慣』(プレジデント社)、『最後のダイエット』 (マガジンハウス社)、 『友だちの数で寿命はきまる』(マガジンハウス社)、ほか。

DAY2 – ○○○を制するものは仕事を制す

第一回目のメールでは「血糖値のコントロール」についての重要性について取り上げました。
ですから、タイトルの○○○に入る3文字は一体何なのか皆さんもうお気づきだと思います。

そう、答えは「血糖値」です。

では血糖値をコントロールするにはどうしたら良いのでしょうか?

ぱっと考えて思い浮かんだ答えは

「炭水化物をたくさん摂取すればいい」

ではないでしょうか?
しかし、血糖値をコントロールするのはそれほど単純なことではありません。
血糖値は、朝昼晩の3食をきちんと食べると一定の数値で推移します。

朝は忙しく時間がないからといって、朝食を抜いてしまうことはありませんか?

通常、食事をした後、ブドウ糖が血液中に送られていくと血糖値が上がり始めます。
血糖値が上がると、今度はすい臓からインスリンというホルモンが分泌されます。
インスリンは、ブドウ糖を全身の細胞に送り込むので、血糖値は下がります。

しかし、朝食を抜いたまま昼食を食べると血糖値が急上昇するので、インスリンも大量に出てしまいます。
そうなると血糖値は急下降し、結果として血糖値が乱高下してしまい、イライラしやすくなったり、集中力が低下したり眠くなったりします。

ここまで見てきたように、脳を働かせるには、炭水化物の摂取が必要ですが、炭水化物をとりすぎると、インスリンの分泌が多くなりすぎてしまいます。
すると、炭水化物が分解されてできたブドウ糖は、インスリンの働きにより全身の細胞に吸収されてしまい、
脳に回らなくなって、脳のパフォーマンスが落ちてしまいます。
したがって「糖をどのように摂取するか」が、脳のパフォーマンスを大きく左右することになります。

では、適切に炭水化物を摂取する方法を見ていきましょう。
血糖値に大きな影響を与える要素として、次の2つが挙げられます。

  • ①どれだけ欠食しているか
  • ②どんな炭水化物を摂取しているか

①はさきほども紹介したように、朝食を抜くと、それだけ血糖値の変動が高くなり、低血糖状態が起きやすいということです。

1日3食を食べた場合と比ると、朝食も昼食も抜いて夕食だけ食べた場合の血糖値の変化はめまぐるしく、欠食が多いほど、血糖値の変化が激しくなってしまいます。

では、3食をきちんと食べれば十分かというと、それだけでは合格点ではありません。
血糖値をコントロールするために、より重要なのは「食事をとるタイミング」です。

たとえば、朝7時に食べて、昼は12時に食べると、その間は5時間空きます。

これだけ空いてしまうと、朝、昼と食べても、血糖値の変動が大きくなっています。
だから、午後になって血糖値が急降下すると、眠くなったり、ボーッとしたりしてしまうのです。

わたしの場合、間食も含めて、3~4時間ごとに食べ物を摂取すると、血糖値が一定になっていると感じます。

人それぞれ違うので一概にはいえませんが、脳の疲れを防ぐために、食事の間隔をあまり空けすぎないことをおすすめします。

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