著者プロフィール
予防医学研究者 石川 善樹

予防医学研究者・博士(医学)
1981 年、広島県生まれ。東京大学医学部を経て、米国ハーバード大学公衆衛生大学院修了。
株式会社キャンサースキャンおよび株式会社Campus for H共同創業者。
主著に、『疲れない脳をつくる生活習慣』(プレジデント社)、『最後のダイエット』 (マガジンハウス社)、 『友だちの数で寿命はきまる』(マガジンハウス社)、ほか。

DAY4 – 明日から始める血糖値コントロール方法~朝の部~

本題に入る前に「どんな炭水化物を摂取しているか」という問題を考えてみましょう。
最初に質問です。次のAとBの違いは何でしょうか。

  • A 玄米とリンゴ
  • B 白米とリンゴジュース

多くの人は、「Aのほうが健康によさそうだなぁ」と思うはずです。
でもその一方で、人々が「おいしそう」「食べやすそう」なのはBです。
玄米のほうが体にいいと思っても、やっぱり白米を食べてしまう人が多い。
同様に、リンゴをそのまま食べるより、リンゴジュースを飲む回数のほうが多いと思います。

では、両者はどう違うのでしょう。
ざっくりいうと、Aから「食物繊維」「ビタミン」「ミネラル」を引いたものがBになります。
Bにも「食物繊維」「ビタミン」「ミネラル」は多少残っていますが、元の量には及びません。
引き算した結果、Bに残っているのは「糖類」や「糖質」と呼ばれるものです。

玄米やリンゴに含まれる炭水化物は、「糖質+食物繊維」というかたちで存在していました。
ところが食文化の発達によって、現代人は「糖質」や「糖類」単体の状態、またはその濃度が高い状態のものを食べたり、飲んだりすることが増えてきました。

「糖質」や「糖類」は炭水化物のなかでも容易にブドウ糖のかたちに分解されるため、血糖値をあげやすく、吸収もされやすいので、血糖値が急激に下がることになります。
つまり、血糖値の変動が大きくなるわけです。

血糖値の急激な変動を未然に防ぐためにも、明日からでも始められるような手軽で続けやすい「血糖値コントロールの方法」を朝、昼、夜に分け、3日間に渡ってご説明していこうと思います。
ではさっそく、本日は「血糖値コントロール方法~朝の部~」についてお教えしていきます。

一日の始まりである朝に最も大事な「た」から始まる3つの言葉が何だかわかりますか?

答えは「太陽」「タンパク質」「炭水化物」です。

体内時計は「主時計」と「抹消時計」という2種類があります。
この2つの体内時計を同調させることが、体内時計を正しく調節することになります。
そしてそのためには、起床から1時間以内に、太陽の光を浴びて、朝食をとることが大事です。

朝食では、パンと目玉焼き、ご飯と納豆、卵かけご飯など、炭水化物とタンパク質をセットで食べるようにしましょう。
炭水化物は、脳の覚醒やエネルギー補給には不可欠ですが、炭水化物だけの朝食は血糖値を上げやすくなります。

一方、朝食でタンパク質をとると、血糖値の急激な上昇が抑えられることが知られています。
また、空腹感も抑制されるので、炭水化物だけをとるよりも、1日全体で摂取するカロリー量が少なくなるため、ダイエットにも効果的です。

忙しいビジネスパーソンを見ると、トーストだけを食べて出社する人が少なくありません。
しかし午前中の仕事力を高めるためには炭水化物だけではなく、タンパク質とセットで食べることがとても大切なのです。

講師紹介メニュー