LEADERS5.0

第4次産業革命の本質 ここ数年来、経済リーダーが集まる会議において中心となる話題、それが「第4次産業革命」です。 インターネットを中心とするデジタル技術の発展・進歩によって、これまでには不可能だったことが可能になりました。人工知能、ビッグデータ、IoT、ロボット、シェアリング・エコノミー。こうしたテクノロジーを組み合わせて、いま世界では新しいライフスタイルを作り出すサービスが日々生まれています。 言うまでもなくそれは、新しい経済成長の機会であり、日本でもこうしたことの重要性が強調されていますが、一部の成果が出ている程度です。残念ながら日本では取り組みの遅れが顕著になっています。 シェアリング・エコノミーの分野で、世界ではライドシェアのUber、宿泊空間シェアのAirbnbなどが注目されています。しかし、日本では一部の国家戦略特区での成果は見られるものの、まだまだ入り口段階です。既にアメリカや中国では、シェアリング・エコノミーが次の段階に入っています。すさまじい競争が出現し、更なる新たなサービスが生み出されています。 日本では、こうした新しいビジネスを既存の業界に閉じ込め、タクシー業や旅館業の枠組みで取り扱おうとしています。従来の製造業にITを加える、金融業が更にITを活用するという次元の話ではありません。 また、製造業にITを取り入れる事がIoTではなく、金融業にITを取り入れる事がFinTechではありません。 製造業や金融業といったこれまでの概念では括れない、UberやAirbnbのように、まったく新しい産業が生まれています。全く別の新しい産業が従来型の産業に勝負をかけること、これはあらゆる分野に当てはまります。これこそが第4次産業革命の本質です。 ただ、世界中で噴出している様々な問題は産業の分野だけではありません。教育、法体系、働き方をどうするか、突き詰めれば、人間の生き方をどうするかという大きな問題に行きつきます。 第4次産業革命が既に世界で進んでいる中、日本は未だ入り口にいます。本当に社会が大きく多種多様に変わるのはこれからです。変化が起きるのは、良いか悪いかという選択の問題ではなく、避けられない目の前の現実の問題です。日本企業は、そうした現実を直視し、会社の組織やルール、人の働き方など、どんどん変えていかなければなりません。 今回は、企業を牽引するリーダーの方を対象に、第4次産業革命に関わる日本企業のリーダーの役割についてお話しします。そして、リーダーの方同士で熱く議論します。

LEADERS5.0

2020/02/19 〜 2020/02/19
  • 国内講演者
  • 教育・研究機関
  • 基調講演
  • 教授

竹中平蔵

慶應義塾大学 名誉教授 東洋大学 教授

第4次産業革命で変わる企業と働き方

AI、ロボット、IoT、ビッグデータ、シェアリング・エコノミーといった新しい要素によって、金融、自動車、電機、といったこれまでの業界の枠組みが壊れています。例えば、UberやAirbnbは、既存の業界に当てはめることができず、新たな業界と言えるでしょう。この大きな波から新しい産業が生まれ、新しいライフスタイルがつくられるという点で、革命的な変化と言えます。これが「第4次産業革命」と呼ばれる所以です。産業の生まれ変わりは、社会のインフラの入れ替わりにつながります。インフラの見直しは、日本企業の組織そのものや個人の働き方にも大きな影響を及ぼし、コーポレート・ガバナンスやビジネスモデル、人材の活用方法などに至るまで、網羅的かつ根本的な見直しを迫っています。本講演では、第4次産業革命のグローバルおよび日本経済の動き、そして国家として取り組むべき規制改革とセキュリティ対策、企業の組織や働き方のあるべき姿についてお話します。あなたは、第4次産業革命に対して、悲観的な見方、楽観的な見方のどちらを持っていますか。革命的な時代がやってきたという時代認識を持ち、大チャンスを掴みましょう。

LEADERS5.0

2020/02/19 〜 2020/02/19
  • 国内講演者
  • 民間企業
  • 管理職

柿崎充

Sansan株式会社 デジタル戦略統括室 室長/ 一般社団法人CDO Club Japan 事務局マネージャー

デジタル社会とイノベーション ~データでつながるエコシステム型の産業構造とは~

IoTデバイスが汎用技術となり、全ての人とモノがつながり、ウェブデータからリアルデータが主役になる時代を迎えました。自社を超えて、社会の課題を解決する発想が求められています。データでつながるプラットフォームビジネス、エコシステム型の産業構造の現在と未来を洞察し、その未来に対する打ち手を考察します。