日本企業の少し未来の働き方

野口 悠紀雄『世界史を創ったビジネスモデル』
【パネルディスカッション】『デジタル時代のビジネスモデルの潮流 -デジタル変革を実現するリーダーの条件-』

停滞する日本社会を打破するために見いだすべき活路

産業革命以来、ひたすら規模の拡大を追求してきた我々人類は、今、新たなステージに向けて変革の必要性に迫られています。

仮想通貨の中核技術であるブロックチェーン、全てのモノをつなぐIoT、人工知能など、インターネットを中心とするデジタル技術がこれまでのビジネスモデルを変革しています。社会にとってはイノベーションを起こすと同時に、伝統的な企業にとっては既存のビジネスモデルの破壊をもたらします。

世界中で噴出しているさまざまな問題はビジネスの分野だけではありません。教育、法体系、働き方をどうするか、突き詰めれば、人間の生き方をどうするかという大きな問題に行きつきます。言うまでもなくそれは、新しい経済成長の機会であり、日本でもこうしたことの重要性が強調されていますが、一部の成果が出ている程度です。残念ながら日本では取り組みの遅れが顕著になっています。

日本企業の指導者は、それにどう対応するべきでしょうか。ヒントは実は「世界史」の中に隠されています。

歴史上の国家を「企業」、その活動を「ビジネス」として理解すれば、新たな視点が得られます。人類が経験してきた「成功」と「失敗」から導き出される「歴史法則」とは何でしょうか。日本社会の停滞を打破する「フロンティア」がここにあるのではないでしょうか。

ローマ帝国、大航海時代かつて「寛容」と「通商」で時代を築いた古人(いにしえびと))から、現代のAT&T、グーグルなど「新しい時代」の考え方と挑み方について、野口悠紀雄先生による講演にてご意見を伺います。続いて、有識者の方々とのパネルディスカッションを通して議論していきます。

また、交流会にて、ご登壇者や参加者の皆さまとの意見交換の場として活用いただければと存じます。

日本企業が遅れをとっているITとビッグデータは、どんな世界を創るのか?
歴史法則からビジネスモデルの原点を探ります。

講演者の紹介

野口悠紀雄氏

野口 悠紀雄

早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問
一橋大学名誉教授

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『話すだけで書ける究極の文章法 人工知能が助けてくれる』がある。

世界史を創ったビジネスモデル

著者 野口悠紀雄『世界史を創ったビジネスモデル』

「世界史」に、ビジネスの新しい活路を見いだせ! 歴史上の国家を〝企業〞、その活動を〝ビジネス〞として理解すれば、新たな視点が得られる。ローマ帝国の盛衰、大航海時代の競争、さらに現代のAT&T、グーグル、人工知能についても。人類が経験してきた「成功」と「失敗」から導き出される「歴史法則」とは? 日本社会の停滞を打破する「フロンティア」がここにある。

パネルディスカッション

別所 直哉

ヤフー株式会社
執行役員
インテリジェンス管掌

慶應義塾大学法学部卒業。法務、広報、政策企画、公共サービスなどの領域を管掌し、2017年より現職。特定非営利活動法人個人遺伝情報取扱協議会 理事長、産業構造審議会 商務流通情報分科会 バイオ小委員会 個人遺伝情報保護ワーキンググループ委員、厚生労働省 ゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォース構成員、警察庁総合セキュリティ対策会議委員、法とコンピュータ学会理事、セーファーインターネット協会会長、CSAJ理事、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科兼任講師。

クロサカ タツヤ

株式会社 企
代表取締役
慶應義塾大学大学院特任准教授

慶應義塾大学・大学院(政策・メディア研究科)修士課程修了後、三菱総合研究所にて情報通信事業のコンサルティングや次世代技術の推進に従事。2008年に株式会社企を設立、経営戦略の立案や事業設計を中心としたコンサルティング、 官公庁プロジェクトの支援等を実施。2016年から慶應義塾大学大学院特任准教授、また総務省・情報通信政策研究所コンサルティング・フェロー就任。
人工知能の開発・応用政策、パーソナルデータ、セキュリティ、5G等の次世代通信規格等の分析を行う。

片山 暁雄

株式会社ソラコム
執行役員
プリンシパルソフトウェアエンジニア

システム会社での金融機関向けのシステム開発を経て、2011年にアマゾンデータサービスジャパンに入社。AWSソリューションアーキテクトとして、AWS利用の技術支援、クラウド普及にむけた講演活動に従事。2015年に株式会社ソラコムに参画、日本におけるエンジニアチームのトップとしてソラコムの提供するIoTプラットフォームの設計構築と、顧客への技術支援を担当するかたわら、IoT実践促進に向け、通信とクラウドの活用をテーマに講演を全国で行う。
著書として「IoTエンジニア養成読本」「SORACOM入門」「AWSクラウドデザインパターン設計編/実装編」「Javaルールブック」など。

田添 聡士

田添 聡士

東京大学
松尾豊研究室
リサーチアドミニストレーター

東京工業大学大学院数理・計算化学専攻卒業後、ボストンコンサルティンググループにて戦略コンサルティング業務に従事。その後、株式会社じげんにて経営企画やIPO業務などを担当。シンガポールにてコンサルティング/投資業務を経験したのちに松尾豊研究室にリサーチアドミニストレーターとして参画。
企業とアカデミックな世界との日本なりのエコシステムの構築やディープラーニングの社会実装のあり方の検討を進めている。

柿崎 充

柿崎 充(モデレーター)

Sansan株式会社
事業企画 マネジャー

慶應義塾大学在学中の2000年にベンチャー企業の設立に参加。その後、2003年にベンチャー企業を設立、経営者を経て、2006年外資系コンサルティングファームのプライスウォーターハウスクーパース(旧ベリングポイント)入社。 グローバル経営戦略調査、グループ経営管理態勢構築、金融機関のシステム・セキュリティ監査、内部統制強化支援、IR・統合報告支援などに幅広く従事。
2013年よりSansanに入社し、2016年6月より現職。Sansanでは、入社後は経営管理部のメンバーとして、社内システムのクラウド化などに従事。その後、エンタープライズ領域のマーケティング責任者として、大規模案件を中心とする受注に成功。

開催概要

皆様のご参加を心よりお待ちしております

日 時2017年8月24日(木)
タイムテーブル 受 付 15:00〜
挨 拶 15:30〜15:40
講 演 15:40~16:40
パネルディスカッション 16:40~17:50
シェアタイム 17:50~19:00
※シェアタイムでは軽飲食をご用意しております(無料)
会 場愛知県名古屋市中区栄1-3-3 ヒルトン名古屋 竹園の間
対 象従業員10名以上の企業様
※講演内容が中小・大手企業様向けとなります。どうぞご理解ください。
定 員100名(抽選制)
受講料無料
イベント運営主催:Sansan株式会社

アクセス

最寄り駅からのアクセス
  • JR新幹線・東海道本線、近鉄名古屋線、「名古屋駅」下車。
  • 名鉄名古屋本線、「名鉄名古屋駅」下車。
  • 「名古屋駅」・「名鉄名古屋駅」より、ホテルまで徒歩約15分、タクシーで約5分。
  • 地下鉄東山線・鶴舞線「伏見駅」下車。7番出口から西へ徒歩約3分。

講演内容

『ビジネスモデルの大転換には、基本的発想の転換が必要』
早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問一橋大学名誉教授 野口 悠紀雄 氏

産業革命後のビジネスモデルは、組織の大規模化と垂直統合化、そして規律に従う労働者によって発展しました。
このビジネスモデルの到達点が「フォーチュン500」に見られるグローバル大企業です。
しかし、このトレンドは90年代以降大きく変わりました。IT革命により、技術が変わり情報が重要な意味を持つようになりました。
中国を代表的とする新興国が工業化し、製造業は新興国に移りました。

これからの時代、今までとは異なる新しいビジネスモデルが必要とされます。 市場の活用(Apple社のような水平分業化)、Google社、Facebook社のような情報を利用する新しいビジネスモデル、そして、ビッグデータの活用(GAFA)。 既にユニコーン企業も出現し、さらに未来を展望すればブロックチェーン企業(DAO)が登場します。

ビジネスモデルの本質を知るためには、産業革命以前の失敗の歴史に学ぶ必要があります。 第1は、ローマ帝国のビジネスモデル。ここでは、多様性、寛容、分権、市場の活用が重視されました。 それらが失われたとき、ローマ帝国は衰退しました。 第2は、大航海時代からの海洋国家のビジネスモデル(地理的フロンティアの拡大)を参考に、 停滞する日本社会を打破するこれからの情報フロンティアの拡大について語ります。

パネルディスカッション

『デジタル時代のビジネスモデルの潮流 -デジタル変革を実現するリーダーの条件-』
ヤフー株式会社 執行役員 インテリジェンス管掌 別所 直哉 氏
株式会社 企 代表取締役 慶應義塾大学大学院特任准教授 クロサカ タツヤ 氏
株式会社ソラコム 執行役員 プリンシパルソフトウェアエンジニア 片山 暁雄 氏
東京大学松尾豊研究室 リサーチアドミニストレーター 田添 聡士 氏
Sansan株式会社 事業企画 マネジャー 柿崎 充(モデレーター)

※ 当イベントの応募は、締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました。