福田友子

国際家族計画連盟(IPPF)東・東南アジア・大洋州地域(ESEAOR) 事務局長

国際家族計画連盟(IPPF)東・東南アジア・大洋州地域(ESEAOR) の事務局長として、域内25カ国の加盟協会を支援する活動をマレーシア・クアラルンプールから率いる。IPPFは世界のすべての人々が差別されることなく、自分の健康とセクシュアリティについて自由な選択ができる社会を目指し、性と生殖に関する健康と権利(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ: SRHR)の情報とサービスを提供している。IPPFに着任する前は公益財団法人ジョイセフのアドボカシーマネージャーとして国際保健、SRHRやジェンダーの平等、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ等について政策提言などをしてきたほか、「SDGs市民社会ネットワーク」のジェンダーユニットの幹事団体としての任務も務めた。

SDGグローバル・フェスティバル・オブ・アクション from JAPAN

2021/03/25 〜 2021/03/26
  • 国内講演者
  • 他所属
  • ディスカッション
  • 管理職

福田友子

国際家族計画連盟(IPPF)東・東南アジア・大洋州地域(ESEAOR) 事務局長

進めよう!変革志向の平等とエンパワメント

ジェンダー平等は基本的人権であり、持続可能な世界を作るには欠かせない基盤です。また、貧困と飢餓の削減、健康と教育の保障、経済発展、気候変動対策、平和など、他の目標の達成を加速する上でも重要です。 この数十年間に、ジェンダー平等はある程度の進展を遂げました。女子の就学率は上がり、女性議員の数も増えました。しかし、差別的な法律や固定観念に基づく偏見、性的暴力はなくなりません。 しかも、コロナ禍により、少しずつ積み上げてきたジェンダー平等の進歩が後退の危機に陥っています。コロナ禍によって、男性よりも多くの女性が職を失いました。家庭での育児や介護という無給のケア労働の負担はさらに重くなっています。外出禁止措置によって、女性と少女に対する暴力、特にDVという「隠れたパンデミック」も悪化しました。 重要な局面を迎えた今、このセッションでは、ジェンダー平等を目指す目標5のうち、4つの重要ターゲットを取り上げ、2030年に向けどんな行動が必要か語ります。 – 紛争下での女性と少女への暴力に終止符を打ち、女性が平和の実現に果たす役割を促進するには?(ターゲット5.2) – 児童婚や女性器切除などの有害な伝統と慣行を撤廃するには?(ターゲット5.3) – 政治、経済等の様々な分野で意思決定に関わる女性を増やし、女性のリーダーシップを高めるためには?(ターゲット5.5) – 性と生殖に関する健康と権利を確保し、自身の選択に基づいた性的関係、避妊、安全な妊娠・出産を手にするためには?(ターゲット5.6) セッションでは、ジェンダーと人種、障害など、複数のアイデンティティによる不平等と差別が複合的に作用する「交差性」の問題も取り上げます。 ジェンダー平等を達成できたといえる国はまだないものの、その動きは勢いを増しています。さらに弾みをつけ、具体的な成果へとつなげましょう!