社会の不確実性の高まりに伴い、科学によって問うことはできるが科学だけでは答えることのできない問題群、すなわちトランスサイエンス領域が拡大する中で、科学と社会をつなぐ営みとして市民参加の様々な取り組みがこれまで推進されてきました。コンセンサス会議や世界市民会議、近年ではバルセロナからはじまったデシディム(Decidim)などその取り組みは世界で広がり、多くの市民が科学と社会の対話に参加してきました。 一方で、TikTokやインスタグラム、YouTubeなどビジュアル先行のソーシャルメディアでは、論理を超えた直感的な反応が次ぎの反応を生むといった炎上空間が広がり、わたしたちを刺激し続けています。こうした情動優位のメディア空間が主流となっていく社会において、じっくりと相手の話を聞き意見を交わす「合意形成」は、これまでの価値を持ち続けていくことができるのでしょうか。 本セッションでは、こうした根源的問いをアカデミズムの立場のみならず、実践的な活動をシェアした上で、「合意形成」の現代的意味を問い直しつつ科学と社会の対話の未来について議論します。
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