「第四次産業革命」と呼ばれる IoT(Internet of Things)、ビッグデータ解析、AI(人工知能)等の技術革新を背景に、企業の競争環境が大きく変わります。そして、従来の「産業」を超えた事業再編が起きています。
企業価値の源泉が、有形資産(工場設備等)から無形資産(人材、技術、ノウハウ、ブランド等)に変わってきています。 しかし、我が国の無形資産投資は欧米主要国と比べて少ない状況にあります。また、日本企業は、既存技術の改良や、短期的な研究開発を重視しており、新市場を開拓する長期的な研究開発への投資が増えない状況が続いています。
企業価値は経営者だけがつくるのではなく、投資家との「協創」でつくられるという視点に基づき、企業と投資家による質の高い対話が必要です。対話の前提として、財務情報のみならず、無形資産などの非財務情報も含めて、投資家側への中長期的な企業情報の開示や報告の在り方が検討されるべきであり、それが中長期的な投資家を増やすことにもつながります。
グローバルに進展するショートターミズム(短期志向)、保護主義、規制強化など、持続的な企業価値創造をめぐる課題はより複雑になりつつあります。そうした現状を直視し、それを克服するために企業価値創造を促進していくにあたって何をすべきでしょうか。
今回は、2017年10月26日に公表された「伊藤レポート2.0(「持続的成長に向けた長期投資(ESG・無形資産投資)研究会」報告書)」を明らかにしたうえで、世界的な潮流に乗り遅れないためのガバナンス改革、いち早く打つべき攻めの一手についてお話します。そして、リーダーの方同士で熱く議論します。
*この会で重視しているのは、講演だけを聞いて勉強して終わるのではなく、コーポレートガバナンス改革に取り組む経営者や財務リーダー同士の情報交換です。講演だけの聴講はお断りします。
1975年一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院商学研究科長・商学部長、一橋大学副学長を歴任した。経済産業省プロジェクト「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」では座長を務め、最終報告書(伊藤レポート)は海外でも大きな反響を呼び、その後の日本のコーポレートガバナンス改革を牽引した。経済産業省「コーポレート・ガバナンス・システム研究会」委員、内閣府「未来投資会議・構造改革徹底推進会合」委員、東京証券取引所「企業価値向上表彰制度委員会」委員長などを務める。三菱商事、東京海上ホールディングスなどの社外取締役を歴任し、現在、セブン&アイ・ホールディングス、東レ、住友化学、小林製薬、曙ブレーキ工業の社外取締役を務める。
著者 伊藤 邦雄『危機を超える経営』
日本企業 再飛躍の条件を探る! リーマンショック、大震災といった突発的危機を乗り越え、業績を急回復させた企業はどんな取り組みをしてきたか。 さらに、その背後で忍びよる構造的危機――「もはや技術力では差異化できない」という現実に日本企業はどう立ち向かえばよいか。 サムスン、日本電産、ユニ・チャーム、日産、コマツなどの事例をまじえ、停滞する日本企業の活路を探る。
1987年早稲田大学理工学部卒業、大手生命保険会社入社。ニューヨーク、ロンドンなどで外国株投資に従事。運用会社JV(ロンドン)にてCEO。傘下アセットマネジメントにて国内株投資に従事。07年フィデリティ投信に調査部長として入社、17年より現職。経済産業省企業報告ラボ企画委員、「伊藤レポート」委員、「長期投資研究会」委員、金融審議会専門委員、両コードのフォローアップ会議メンバー、法制審議会会社法制(企業統治等関係)部会委員他。一橋大学HFLP学外講師。共著「コーポレートガバナンス・コードの実践」(日経BP社)、「価値向上のための対話」(日本経済新聞出版社)など。
ニッセイアセットマネジメントで、金融・素材などの証券アナリスト業務、投資調査室長を経て現職。アナリストリサーチの統括とスチュワードシップ活動の責任者。主な対外活動として、ICGN(International Corporate Governance Network)理事(2015~)、「持続的な価値創造に向けた投資の在り方検討会」委員(経済産業省2016~)、「企業会計審議会監査部会」臨時委員(金融庁2017)、「企業会計基準委員会専門委員(企業結合・ディスクロージャー)」(2012~)等を務める。主な著書に、『コーポレートガバナンス・コードの実践』(共著、日経BP、2015年4月)、『新しい時代の証券アナリストの役割』(証券アナリストジャーナル、2013年5月号)、『スチュワードシップ活動の運用上の課題』(法と支配、2017年10月号)など。
1975年東京大学法学部卒業、同年日本銀行入行。考査<現金融機構>局次長、同考査役、横浜支店長、考査局考査<現総務および考査企画>課長、名古屋支店営業課長、ロンドン駐在参事付等を歴任。 2003年より中央青山監査法人にて、金融部ディレクター、レギュラトリーアドバイザリーグループ統轄。 2006年より、あらた監査法人にてリスクレギュラトリーアドバイザリー部長、あらた基礎研究所長。2014年6月より、滋賀銀行社外監査役。2014年7月よりジャパンビジネスアシュアランスグループ顧問。2015年7月より、モルガンスタンレーMUFG証券顧問として就任。
皆様のご参加を心よりお待ちしております
日 時 | 2017年12月20日(水) |
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タイムテーブル | 受 付 16:20〜 挨 拶 16:50〜17:00 講 演 17:00~17:50 休 憩 17:50~18:00 パネルセッション 18:00~19:00 シェアタイム 19:00~20:00 ※シェアタイムは、グランドプリンスホテル高輪のブッフェと飲料をご用意しております(無料) ※シェアタイムは、伊藤邦雄 氏も参加予定です。 |
会 場 | 東京都港区高輪3-13-1 グランドプリンスホテル高輪 B1 プリンスルーム |
対 象 | 従業員100名以上の企業様 ※講演内容が中小・大手企業様向けとなります。どうぞご理解ください。 |
定 員 | 250名(抽選制) |
受講料 | 無料 |
イベント運営 | 主催:Sansan株式会社 |
注意事項 | ※座席は、先着順を予定しております。 ※プログラムの内容・講演者等は、都合により予告なく変更する場合がございます。 ※応募多数の場合、予告なしでフォームを閉鎖させていただく場合がございます。 ※競合他社/同業社のお申込み等、主催社様の判断によりお断りする場合がございます。 |
2014年に発表した「伊藤レポート」は、コーポレートガバナンス改革や市場改革の一連の改革の土台として、包括的な分析を行うとともに、資本生産性を高めるための日本型ROE経営や企業と投資家の対話促進に向けた政策提言を行いました。その後、具体的な政策対応が行われ、企業や投資家においても企業価値向上や対話に向けた取組が進みました。 「第四次産業革命」と呼ばれる IoT(Internet of Things)、ビッグデータ解析、AI(人工知能)等のデジタル技術を背景に、企業の競争環境が大きく変わります。そのようなデジタル革命により、従来の「産業」を超えた事業再編が起きています。 2016年8月に、経済産業省は「持続的成長に向けた長期投資(ESG・無形資産投資)研究会」を立ち上げ、企業が持続的に企業価値を高めるための戦略投資のあり方、投資家が長期的視野から企業を評価する方法、そして企業の情報開示や投資家との対話のあり方について検討を行ってきました。伊藤レポート後に生じた動きを総括しつつ、無形資産投資やESG等を巡る論点を深掘りし、今後の政策対応等を議論しました。その成果が「伊藤レポート2.0」として取りまとめられています。レポート作成の中心を担った伊藤邦雄氏にデジタル革命とコーポレートガバナンス改革について語って頂きます。
※ 当イベントの応募は、締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました。