宇夫陽次朗

(株)Preferred Networks リサーチャー

ISPの研究所およびアカデミックな立場でインターネット技術の応用分野の研究開発(RFID, ロボットネットワーク、データセンター高度化など)に従事。2019年から現職のPreferred Networks(PFN)に入社。PFNの研究やビジネスを支える大規模計算基盤の研究開発を担当している。博士(情報科学)

Interop Tokyo カンファレンス 2022

2022/06/15 〜 2022/06/17
  • 国内講演者
  • 民間企業
  • ディスカッション
  • その他職名

宇夫陽次朗

(株)Preferred Networks リサーチャー

エクサスケールコンピューティング時代に向け変革する最先端データセンタ

計算機の性能は指数関数的に成長し続けています。いまスーパーコンピュータの演算性能は、1秒間に100京回の浮動小数演算を行うことができる1 EFLOPS (エクサフロップス)を超える、エクサスケールコンピューティングの時代に突入しつつあります。 スーパーコンピュータはその演算性能に注目が集まりがちですが、大規模な計算機クラスタで高い性能を実現するためには、計算機資源を超高密度に配置することが重要です。するとたとえば、「1ワットあたりの演算性能として40 GFLOPS/Wをもたらす演算器」でも、1 EFLOPSの実現のためには、IT機器だけで25メガワットもの電力容量が必要になります。つまり、「大電力容量を大規模かつ効率的にIT機器に供給する技術」も不可欠となるのです。くわえて、こうした電源・冷却設備・ネットワークなどのデータセンタ設備に加え、それらを統合的に運用するための「制御技術」にも工夫が求められます。 本セッションでは、こうした高密度・大容量電力のデータセンタ設備の最新技術動向を紹介するとともに、最先端のデータセンタにおける技術的な課題について議論します。とくに具体例として、40 GFLOPS/Wに迫る高電力効率を実現した、Preferred Networksのスーパーコンピュータを取り上げて扱います。また、今後のエクサスケールコンピューティング時代にむけた、計算設備やデータセンタ技術について展望します。