永山翔太氏
(株)メルカリ シニアリサーチャー /
量子インターネットタスクフォース
代表
専門は量子インターネット。特に、量子エラー訂正符号および量子インターネットアーキテクチャ・通信プロトコル。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科サイバーインフォマティクス専攻在学中に、インターネットの研究室で量子情報処理に取り組み、2017年に博士(政策・メディア)を取得。2018年4月より現職。現在、量子インターネットタスクフォースファウンダー兼代表、WIDEプロジェクトボードメンバー。過去に、内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター研究・産学官連携戦略ワーキンググループ委員、2018年度未踏ターゲット事業(ゲート式量子コンピュータ部門)「分散量子計算プラットフォーム」プロジェクト等。
Interop Tokyo カンファレンス 2022
- 国内講演者
- 民間企業
- ディスカッション
- 社長
永山翔太 氏
(株)メルカリ シニアリサーチャー /
量子インターネットタスクフォース
代表
IT事業者が知っておきたい量子コンピュータ ~アプリケーション、量子超越性、量子クラウド、量子AI~
近年飛躍的な発展を遂げている量子情報処理技術。クラウドやAI、ブロックチェーンの次に世界を変える技術として、大きな期待が寄せられています。
量子情報処理技術の中でも、量子コンピュータは二段階の発展を見据えています。第一段階として、最適化や化学計算などでの実効的高速処理を目指す「Noisy Intermediate-Scale Quantum (NISQ)量子計算」が、第二段階として、現在のデジタルコンピュータでは不可能な情報処理を実現する「誤り耐性型量子計算」が目標として設定され、実現や利活用に向けた研究開発が世界的に急ピッチで推進されています。より高速で大規模な「データ処理」や、正確なAIを実現する「量子機械学習」、創薬やエネルギーに役立つ「量子化学計算」、「量子金融計算」など、汎用計算機であるがゆえの応用範囲の広さも特徴です。
本セッションでは、「NISQアプリケーション」「量子超越性」「量子クラウド」といったキーワードの最新のホットトピックや、量子コンピュータを扱っていくための勘所について、業界の先駆者たるスピーカーが解説します。「マイルストーン」や、「現在のコンピュータから量子コンピュータに置き換わる用途と置き換わらない用途」などの議論を通じて、「将来我々を取り巻くコンピュータ環境、すなわち、デジタルコンピュータと量子コンピュータを併用する世界がどのようになるのか」を展望し、量子コンピュータの登場に向けてIT事業者が取るべき備えについて紹介します。
Interop Tokyo カンファレンス 2022
- 国内講演者
- 民間企業
- ディスカッション
- 社長
永山翔太 氏
(株)メルカリ シニアリサーチャー /
量子インターネットタスクフォース
代表
量子セキュリティ:矛と「盾」
量子コンピューティングの出現によって、セキュリティシーンも変化します。本講演では、量子コンピュータの発展により危殆化する暗号技術について展望します。
「量子コンピュータにより解読される」という公開鍵暗号。公開鍵暗号技術のおかげで、現代人はインターネット上で初見の人々・顧客とお互いを確認し、秘密を守り、データの改竄の危険もなく、社会活動に取り組むことができています。このさき量子コンピュータの発展によって、暗号技術が脅かされるのはいつなのか。その時に備え、「近い将来から打たなければならない対策」と「事前の検討」はたいへん重要です。また新たな脅威に対しても、「安全な既存技術の発展」「新技術の導入」「新インフラへの転換」など、考えられるシナリオは一つではありません。
米国立標準技術研究所(NIST)で標準化が進む「耐量子暗号」や、量子技術による「量子鍵配送ネットワーク」といった直近で検討すべき新しい暗号通信技術、ならびに、来る本格的な量子情報時代の通信インフラである「量子インターネット」について、業界の先駆者たるスピーカー陣が、「最新の技術」と「すべてのIT事業者が備えておくべき心構え」について解説します。
Interop Tokyo カンファレンス 2023
- 国内講演者
- 民間企業
- ディスカッション
- 教授
- 社長
永山翔太 氏
(株)メルカリ シニアリサーチャー /
量子インターネットタスクフォース 代表 / 慶應義塾大学 特任准教授
ネットワーク化する量子コンピュータ
量子コンピュータの発展はめざましく、量子エラー訂正の実証も進むなど、本格的なコンピュータシステムに至るまでのマイルストーンが着々と達成されつつあります。くわえて量子ビットを集積化する技術が実現すれば、急速なスケールアップがもたらされ、AIやインターネットと並ぶ、もしくは、それ以上のインパクトを発揮することになるでしょう。
しかしながら、量子ビットの「微細化」は量子力学によって制約されており、微細化のみによる集積化では早々に限界が訪れます。これを解決する有力な手法が、じつはご存知「ネットワーク化」です。つまり我々ICT技術者が培ってきた知見もまた、集積化の実現にむけての鍵といえます。
従来型のデジタルコンピュータでは、2台のコンピュータを並列化したときの性能上昇は高々2倍でした。ところが量子コンピュータでは、複数台を並列化して動作させたときの効能がまったく異なります。そうした「量子ならでは」のディスカッションの中においても、我々に馴染みのある単語が飛び出すことでしょう。さらに、そのような量子ネットワークは、広域量子ネットワーク、すなわち、量子インターネットへの発展の可能性を有しています。
本セッションでは、”分散”量子コンピュータ研究開発のホットなディスカッションを、量子コンピュータや量子ネットワークの実装に取り組む専門家から、参加者のみなさんにお届けします。本格的な量子コンピュータ・量子インターネットの実現までの機を測って頂く一助となり、また、量子情報技術におけるビジネスチャンスを見出すきっかけになれば幸いです。
<要旨>
●量子コンピュータ開発最新動向
●量子ネットワーク開発最新動向
●量子コンピュータのネットワーク化
●量子インターネット
●デジタル情報技術と量子技術の繋がり