保井俊之

叡啓大学ソーシャルシステムデザイン学部学部長・教授 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(慶應SDM)特別招聘教授

1985年東京大学卒業。財務省及び金融庁の主要ポストを経て、政府系地域活性化ファンドREVIC常務、中南米向け国際金融機関IDBの日本他5か国代表理事を歴任。慶應SDMで2008年の開学以来教壇に立つ。国際基督教大学より博士(学術)。米国PMI認定PMP。2021年4月より日本初のソーシャルシステムデザイン学部を擁する広島県立叡啓大学の初代学部長。著書に『「日本」」の売り方』『無意識と「対話」する方法』など多数。地域活性学会理事、日本創造学会評議員。専門は、社会システムデザイン、社会イノベーション、主観的ウェルビーイング論及び幸福学、金融、公共政策、対話理論及び地域活性化など。

2021世界平和経済人会議ひろしま 東京セッション 分断を癒し、乗り越える行動とは ~対話、共感、ソフトパワーによる平和への貢献が変える経済、社会、そして世界~

2021/10/08 〜 2021/10/08
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  • 教育・研究機関
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  • 教授

保井俊之

叡啓大学ソーシャルシステムデザイン学部学部長・教授 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(慶應SDM)特別招聘教授

目的としてのウェルビーイング ~幸福を経済活動の指標へ~

Well-beingとは、心身と社会的な健康を意味し、満足した生活を送れている状態、多面的に幸せな状態を指し、瞬間的な幸せを表すHappinessとは異なる考え方と言われている。平和を「個人の尊厳が守られること」と捉えた場合、それはこのWell-beingにとても近い状態ともいえるのではないか。(Well-being≒「平和」な状態)OECD は 2011年から「良い暮らしイニシアティブ」を開始し、Well-being指標として11の分野(住宅、所得と富、雇用と収入、社会とのつながり、教育と技能、環境の質、市民生活とガバナンス、健康状態、主観的幸福、個人の安全、仕事と生活のバランス)で、国際比較を行えるようにしている。また、日本でも長年GDP に替わる、もしくは補完する指標が模索される中で、GDW(Gross Domestic Well-being)という指標が提唱されるなど、関心が高まっている。Well-beingを個人や企業にとっての「目的」と位置づけ、経済活動の一部として評価することで積極的にWell-beingを推奨するなど、日本でも今後様々な取り組みが必要ではないか。個人や経営者の立場から、Well-being(≒「平和」な状態)をどの様に広げていけるのかを議論したい。