安田クリスチーナ

Microsoft Corp. アイデンティティ規格アーキテクト

パリ政治学院主席卒業。2016年に米NGO「InternetBar.org」ディレクターに就任し、途上国における身分証明インフラを整備するデジタル・アイデンティティ事業を新設。17年にアクセンチュアの戦略コンサルティング本部に新卒入社。19年にマイクロソフト・コーポレーションに転職し、Identityアーキテクトとして分散型IDを含むIdentity規格の国際標準化に取り組む。 2019年Forbes Japan 30Under30 に選出。2020年JCI JAPAN TOYP 文部科学大臣奨励賞を受賞。2021年MIT Technology Reviewが選ぶ35歳以下のイノベーターを受賞。人権を守りつつ、個人情報の有効活用に取り組むMyData Globalの理事にも選出。内閣官房主催のブロックチェーンおよびTrusted Webに関連する協議会の委員も複数務める。

2021世界平和経済人会議ひろしま 東京セッション 分断を癒し、乗り越える行動とは ~対話、共感、ソフトパワーによる平和への貢献が変える経済、社会、そして世界~

2021/10/08 〜 2021/10/08
  • 国内講演者
  • 民間企業
  • ディスカッション
  • その他職名

安田クリスチーナ

Microsoft Corp. アイデンティティ規格アーキテクト

新たな経済・社会の構築 〜「グレート・リセット」〜

「グレート・リセット」とは、私たちの経済・社会システムを一度リセットして、新しく時代に適合したシステムの構築を目指すことである。ダボス会議でもメインテーマに取り上げられ、主催者のクラウス・シュワブ氏は、①市場アウトカムの公正化、②ESG投資等を通じた投資の平等性と持続性の確保、③第四次産業革命の成果の公益利用、を課題に挙げた。2020年の新型コロナウイルス・パンデミックは社会の課題を浮き彫りにしたが、実はすでにその前から、富の偏在の拡大や、気候変動に効果的に対応できないなど、国際社会の経済・社会システムにはひずみが見られていた。そこに、SNS等の利用拡大や、AI、IoT、量子コンピューター等によるDX、ビッグデータ活用、ゲノムやiPS等による生命工学の飛躍的な発展などの新たな変革が次々と加わっている。これらは人間の生活に新たな豊かさをもたらす一方、経済、健康、医療等の点で新たな「格差」や「分断」を生みかねない。新たな時代に適合したシステムやルールの構築にあたっては、「格差」や「分断」を生まないための要素をビルト・インすることが求められている。日本でも、意欲的なカーボンニュートラル目標の設定や、ESG投資のルール作り、デジタル規制などの、新たな経済・社会のシステム作りが進んでいるが、変わりゆく社会に適合し、かつ「平和」で持続可能なシステムのあり方とはどのようなものか。東京セッションの冒頭にあたり、俯瞰的に議論したい。