川口大司

東京大学 公共政策大学院/大学院経済学研究科 教授

主に労働経済学の実証研究に取り組む。とくに労働市場における賃金や雇用機会の不平等の変化を記述しその背後にあるメカニズムを解明してきた。また労働政策を中心としたさまざまな政策評価の研究も行ってきた。これらのテーマに様々なミクロデータを計量経済学を用いて分析するミクロ実証経済学の手法を用いて取り組んできた。現在の主要な研究関心は新しい技術やマクロ経済環境の変化が、雇用・賃金に与える影響を、労働者の異質性に注目しながら分析することにある。 2002年ミシガン州立大学で経済学のPh.D.を取得。大阪大学、筑波大学、一橋大学を経て2016年より現職。独立行政法人経済産業研究所のプログラムディレクター、東京大学エコノミックコンサルティング株式会社の社外取締役。

INNOVATIVE CITY FORUM 2021

2021/11/22 〜 2021/11/25
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川口大司

東京大学 公共政策大学院/大学院経済学研究科 教授

働くの未来像 ~「働く」とは何か?リモートワークがもたらす社会の変容~

コロナ禍によって一気に普及したリモートワーク。アフターコロナでも、リモートワークはなくならないという調査研究もあり、今後もある程度リモートワークが日本で定着していくと考えられています。 そのことが社会全体に与えるインパクトを考えると、単に個人の働き方が変わることにとどまらない影響があると言われます。個人と家庭のあり方、人々の生活拠点、オフィスや商業施設の立地、街の構成・・・リモートワークの定着は私たちのライフスタイル、そして社会を大きく変えうるものなのです。 しかし、企業の側で長年定着してきた「働く」、「労働」に対する観念、特に「どれだけの時間働いたか」という「インプット」によって人材を管理し、評価してきた慣習やシステムを変えるのは容易ではありません。 このセッションでは、個人の「働く/労働」への意識がどのように変わり、企業は「働く/労働」への意識をどのように変えていけばいいのか、具体的に議論します。そしてリモートワークの定着がもたらす社会の変容を見据え、未来の「働く」という概念そのものを捉え直していきます。