田中みゆき氏
キュレーター / プロデューサー
「“障害”は世界を捉え直す視点」をテーマにカテゴリーにとらわれないプロジェクトを企画。表現の見方や捉え方を障害当事者や鑑賞者とともに再考する。近年の仕事に映画『ナイトクルージング』(2019年公開)、『音で観るダンスのワークインプログレス』(KAAT神奈川芸術劇場、2017-2019年)、『大いなる日常』展(ボーダレス・アートミュージアムNO-MA、2017年)、現在進行中のプロジェクトに、展覧会ディレクターを務める「ルール?展」(21_21 DESIGN SIGHT、現在開催中)、展覧会『語りの複数性』(東京都渋谷公園通りギャラリー、現在開催中)、『視覚言語がつくる演劇のことば』(KAAT神奈川芸術劇場、2020年〜)、『オーディオゲームセンター』(2017年〜)など。 2020年大阪・関西万博日本館基本構想策定クリエイター。
INNOVATIVE CITY FORUM 2021
- 国内講演者
- 他所属
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田中みゆき 氏
キュレーター / プロデューサー
科学と社会の対話の未来-情動優位時代に「合意形成」は可能なのか
社会の不確実性の高まりに伴い、科学によって問うことはできるが科学だけでは答えることのできない問題群、すなわちトランスサイエンス領域が拡大する中で、科学と社会をつなぐ営みとして市民参加の様々な取り組みがこれまで推進されてきました。コンセンサス会議や世界市民会議、近年ではバルセロナからはじまったデシディム(Decidim)などその取り組みは世界で広がり、多くの市民が科学と社会の対話に参加してきました。
一方で、TikTokやインスタグラム、YouTubeなどビジュアル先行のソーシャルメディアでは、論理を超えた直感的な反応が次ぎの反応を生むといった炎上空間が広がり、わたしたちを刺激し続けています。こうした情動優位のメディア空間が主流となっていく社会において、じっくりと相手の話を聞き意見を交わす「合意形成」は、これまでの価値を持ち続けていくことができるのでしょうか。
本セッションでは、こうした根源的問いをアカデミズムの立場のみならず、実践的な活動をシェアした上で、「合意形成」の現代的意味を問い直しつつ科学と社会の対話の未来について議論します。