秋池玲子

ボストンコンサルティンググループ 日本共同代表

キリンビール株式会社、マッキンゼー・アンド・カンパニー、株式会社産業再生機構マネージング・ディレクターを経て、2006年より現職。株式会社産業再生機構では経営者として日本で最初のバス会社再生の実務に当たる。現在は、多様な産業の企業に対して事業戦略作成、実行支援、組織改革等を行う。経済同友会副代表幹事。政府系委員を歴任。早稲田大学理工学大学院修士課程修了。マサチューセッツ工科大学スローン経営学大学院修了。

2021世界平和経済人会議ひろしま 東京セッション 分断を癒し、乗り越える行動とは ~対話、共感、ソフトパワーによる平和への貢献が変える経済、社会、そして世界~

2021/10/08 〜 2021/10/08
  • 国内講演者
  • 民間企業
  • ディスカッション
  • その他職名

秋池玲子

ボストンコンサルティンググループ 日本共同代表

新たな経済・社会の構築 〜「グレート・リセット」〜

「グレート・リセット」とは、私たちの経済・社会システムを一度リセットして、新しく時代に適合したシステムの構築を目指すことである。ダボス会議でもメインテーマに取り上げられ、主催者のクラウス・シュワブ氏は、①市場アウトカムの公正化、②ESG投資等を通じた投資の平等性と持続性の確保、③第四次産業革命の成果の公益利用、を課題に挙げた。2020年の新型コロナウイルス・パンデミックは社会の課題を浮き彫りにしたが、実はすでにその前から、富の偏在の拡大や、気候変動に効果的に対応できないなど、国際社会の経済・社会システムにはひずみが見られていた。そこに、SNS等の利用拡大や、AI、IoT、量子コンピューター等によるDX、ビッグデータ活用、ゲノムやiPS等による生命工学の飛躍的な発展などの新たな変革が次々と加わっている。これらは人間の生活に新たな豊かさをもたらす一方、経済、健康、医療等の点で新たな「格差」や「分断」を生みかねない。新たな時代に適合したシステムやルールの構築にあたっては、「格差」や「分断」を生まないための要素をビルト・インすることが求められている。日本でも、意欲的なカーボンニュートラル目標の設定や、ESG投資のルール作り、デジタル規制などの、新たな経済・社会のシステム作りが進んでいるが、変わりゆく社会に適合し、かつ「平和」で持続可能なシステムのあり方とはどのようなものか。東京セッションの冒頭にあたり、俯瞰的に議論したい。