池井満

東京電機大学非常勤講師

東京電機大学非常勤講師。元某半導体メーカーにおいてソフトウェアおよびサービス統括部のシニアエンジニアとして、プロセッサーに追加される拡張命令の利用方法やハイパフォーマンス・コンピューティングの分野で性能解析やチューニング業務に貢献。2006年 ACM スーパーコンピューター・カンファレンスにおいて理化学研究所と共同でゴードン・ベル賞を受賞するなど長年の経験と実績を持つ。

ハイパフォーマンス・ソフトウェア・カンファレンス 2023

2023/06/07 〜 2023/06/09
  • 国内講演者
  • 教育・研究機関
  • その他職名

池井満

東京電機大学非常勤講師

科学技術計算の SYCL* を用いた GPU ダイレクト・プログラミング手法の紹介

インテル社の oneAPI が提供する C++ コンパイラーでは、SYCL* を用いて GPU に演算をオフロードすることを可能にしています。このセッションでは、オープンソースの電磁界解析ソフトウェア OpenFDTD を SYCL* を用いてオフロードする手法を紹介します。OpenFDTD のように、シミュレーションで用いる格子状の演算空間を C の外部変数で表現し、マクロでこれを参照する場合でも、SYCL* の統合共有メモリー (USM) を用いて比較的容易にオフロードを実現できます。また得られたプログラムの実行性能は、特定の GPU 用向けに CUDA* を用いて煩雑な明示的な演算データの移動を行うものと比較して同等程度となることを示します。SYCL* を用いたオフロードプログラムはさまざまな GPU に適用可能であり、また CUDA* のような別のプログラミング言語のソースコード群を管理する必要もないため、オフロード用のダイレクト・プログラミング手法として有効なものだと言えます。