上間陽子氏
琉球大学教育学研究科教授
1972年、沖縄生まれ。琉球大学教育学研究科教授。 専攻は教育学、生活指導の観点から主に非行少年少女の問題を研究。1990年代後半から2014年にかけて東京で、以降は沖縄で未成年たちの調査・支援に携わる。著書に『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち 』(太田出版)、共著に『若者貧困』(明石書店)など。最新作は、初のエッセイ集『海をあげる』(筑摩書房)。
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上間陽子 氏
琉球大学教育学研究科教授
それって「自己責任」? 予測不可能な複雑社会を彷徨う自己責任論
「自己責任」。何かと都合良く使われる言葉ですが、コロナ禍では感染者を責め立て、切り捨てる言葉として社会にあふれかえりました。一方で、コロナ禍で感染者に向けられた「自己責任」の矛先は、実は、以前から貧困問題や生活保護受給問題、依存症に苦しむ人に対して、躊躇なく向けられていました。
「たとえ命の危険があったとしても、あなたが選択したことは全てあなたの自己責任」と、片付けることは果たして正しいのでしょうか?ウイルスや災害など、個人の選択の結果を越えた予測不可能な脅威に翻弄される社会で生きる私たちの、「自己責任」の本質を問い直します。