NTT東日本 特殊局員 IPA サイバー技術研究室長 筑波大学 客員教授
日本の企業や行政機関等のテレワークシステムや、世界中で 700 万ユーザー利用の SoftEther VPN セキュリティソフト等を開発しているソフトウェア技術研究経営者。2004 年に筑波大学在学中にソフトイーサ株式会社を起業。2017 年 博士 (工学)。2017 年から筑波大学産学連携准教授 (2022 年から客員教授)、2018 年から 独立行政法人 情報処理推進機構 (IPA) サイバー技術研究室長。2020 年から NTT 東日本本社 特殊局員 (いずれも現役)。
※ プロフィールの引用元は「DX & AI Forum 2024 Winter」になります。
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コンピュータ技術とサイバーセキュリティにおける日本の課題、人材育成法および将来展望
現代日本社会はインターネットやクラウド等のサイバー技術に依存するようになった。ところが、サイバー空間においては、最近、極端な力のアンバランスが発生している。現在の日本には、米国や中国等の企業技術人と同水準の組織や人材の数が、とても少ない。世界に普及するようなサイバー技術を作れる人材が不足している。それどころか、各組織が安易で硬直的で脆いサイバーセキュリティ対策手法に依存した結果、日本組織の人材のコンピュータ・リテラシ低下はかなり深刻なレベルとなっており、基本的なサイバーセキュリティ上の自組織防衛能力すら有さない、極めて脆弱な状態にある。 この深刻な問題を解決し、世界最高レベルのサイバーセキュリティを実現するためには、サイバー空間を織りなす技術や構成要素、動作原理等の本質を広く深く理解し、かつ自ら技術革新が可能な日本人の数を、日本組織で増やす必要がある。そうすれば、彼らが実際に試行錯誤の結果新たなサイバー技術を作り出し、これらが自然に全世界で普遍的に利用される状況が作り出され、日本のサイバーセキュリティ能力は向上する。 すなわち、日本の組織やその人材が、サイバー空間の内側に埋没した単なる一ユーザーという現在の不満足な被治者の地位を卒業し、サイバー空間そのものを作っていく強力で高貴な治者の立場を獲得する必要があるのである。そのためには、日本の各組織における若手人材に、単にユーザーとして技術を使うだけでなく、自らサイバー技術を作り出すような試行錯誤を促す必要がある。そうすれば自律分散的・免疫的な組織的セキュリティ能力と技術力が、これから、日本の各組織から自然に発芽すると思われる。
世界に普及可能な日本発のサイバー技術の造り方
世界に普及可能な日本発のサイバー技術の造り方~『日経テクノロジー展望2022 世界を変える100の技術』出版記念講演
ICT基盤を支えるサイバー技術の多くは現状、海外で作られたものが多いが日本においても、GAFAのように、全世界的に普及する基盤的サービスや技術を多数輩出できる。日本型の大企業や政府系組織等にある人材、資源、設備、規模を活用して、サイバー技術の生産手段を確立できればよいからだ。本講演ではそのために有効な具体策を解説する。
日本におけるICT & セキュリティ技術の生産手段確立と産業化の実現
日本は20世紀に多くの人々が様々な産業分野で海外の技術を吸収し、研究開発を進化させ、世界トップになりました。しかし、未だICTだけは、まともな生産手段が確立されておりません。日本型大企業や政府組織にある、いつの間にか蔓延してしまった、ICTの技術進歩を妨げる情報セキュリティルールや、高度な試行錯誤を阻害するポリシーが原因です。これは、けしからんことです。これからこの問題を解決することで、日本人は、世界一の品質のコンピュータ、ネットワーク、セキュリティ技術を作ることができるようになり、これらは世界中で使われ、日本の諸問題が解決することになるのです。