國分功一郎

哲学者 東京大学大学院総合文化研究科准教授

1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部准教授。主な著書に『中動態の世界─意志と責任の考古学』(医学書院、第16回小林秀雄賞受賞)、『民主主義を直感するために』(晶文社)、『近代政治哲学─自然・主権・行政』(ちくま新書)、『暇と退屈の倫理学 増補新版』(太田出版、紀伊國屋じんぶん大賞受賞)、『来るべき民主主義─小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題』(幻冬舎新書)、『ドゥルーズの哲学原理』(岩波書店)、『スピノザの方法』(みすず書房)。訳書にジャック・デリダ『マルクスと息子たち』(岩波書店)、ジル・ドゥルーズ『カントの批判哲学』(ちくま学芸文庫)などがある。

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2020/12/01 〜 2021/01/19
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國分功一郎

哲学者 東京大学大学院総合文化研究科准教授

それって「自己責任」? 予測不可能な複雑社会を彷徨う自己責任論

「自己責任」。何かと都合良く使われる言葉ですが、コロナ禍では感染者を責め立て、切り捨てる言葉として社会にあふれかえりました。一方で、コロナ禍で感染者に向けられた「自己責任」の矛先は、実は、以前から貧困問題や生活保護受給問題、依存症に苦しむ人に対して、躊躇なく向けられていました。 「たとえ命の危険があったとしても、あなたが選択したことは全てあなたの自己責任」と、片付けることは果たして正しいのでしょうか?ウイルスや災害など、個人の選択の結果を越えた予測不可能な脅威に翻弄される社会で生きる私たちの、「自己責任」の本質を問い直します。