日本マイクロソフト(株) 業務執行役員 ナショナルテクノロジーオフィサー
1992 年マイクロソフト入社。 米国 Microsoft Corporation(Redmond)にて、主にメッセージングシステム、ディレクトリサービス、及びグローバル分散処理システムの研究開発を担当。 機械学習によるルーティングの最適化、コミュニケーションデータ(自然言語)の分析、モデル化に従事。 その後、アジア地域におけるサーバーアプリケーション製品群の研究開発グループ統括責任者を務めた後、 2009年 10 月より業務執行役員 ナショナルテクノロジーオフィサーに就任後は、エンタープライズ、 クラウドアーキテクチャ、ドキュメントフォーマット、文字コードなどの標準化および機械翻訳などに携わり、 2021年9月からはデジタル庁 プリンシパル ソリューション アーキテクト統括を兼務。
※ プロフィールの引用元は「Interop Tokyo カンファレンス 2023」になります。
※ 登壇者情報には同姓同名も含まれている場合があります。
※ 詳細は以下の一覧をご確認ください。
ChatGPT:データ共有と大規模汎用言語モデル
さまざまなシステムにおいてAIの活用が進む中、「データ」のアセットとしての重要性が増してきています。とくに公的機関においては、データの共有・流通の基盤を「一つの大きな仮想プラットフォーム」化し、その上で種々のサービスを構築する取り組みが加速してきています。代表的な例として、「公共交通オープンデータ」「スマートシティリファレンスアーキテクチャ」などがあります。いずれも、サービスの元となりうるデータがあり、その活用の基盤の構築に主眼を置いています。 他方、GPT-3に代表される大規模汎用言語モデルが注目を集めています。とくにイノベーションの源泉ともなりうるChatGPTとその応用は、「データが持つ価値」について改めて考えさせられるものと言えます(GPT: Generative Pre-trained Transformer)。 本セッションではまず、「公的機関を中心に加速するデータ共有」「データ流通の加速がもたらす変革」について、データ基盤・スマートシティの専門家から紹介します。ついで、「ChatGPTがもたらすデータの価値」、とくに「言語資源の重要性」「ビジネス変革」について、自然言語処理の研究者から紹介します。 <要旨> ●データ共有 公的機関・データ基盤・スマートシティなどでの活用策 ●データ流通 加速化と、それがもたらす変革 ●Chat GPT データの価値向上と、ビジネス変革
ゼロトラストネットワークの実実装に向けて激変するIDアーキテクチャ
さまざまなサイバーセキュリティの脅威が高度化し、ゼロトラストネットワークが標準的な考え方になる中で、すべての情報資産を把握・管理する方法の1つとして、“ID”の重要性が高まっています。 いまは多くの場合、「人を一意に識別し、認証・認可などに使用する識別子」としてIDが用いられています。その一方で、高度化する脅威、認証連携、そして情報資産の適切な把握と管理のための、「人だけでなく、情報セキュリティに関わるすべてを把握・管理する手段」としてのIDの重要性も高まってきています。 本セッションでは、こうした「現在のIDを取り巻くさまざまな課題」と「明日から取り組むべきID」について、セキュリティおよび相互運用の視点から紹介します。具体的には、(1) ディレクトリサービス(X.500)を含むIDの基本、(2) ゼロトラストネットワークにおけるID、(3) マイナンバーをはじめとする政府が推進するID、(4) 分散ID、(5) 米国政府におけるIDの活用――などについて取り上げます
アイデンティティの主権を取り戻せ ~分散型ID (DID) 関連技術とトラスト基盤のゆくえ~
従来、企業やその他の組織においては、「個人の属性や識別子をデジタル情報として扱うことで、本人にサービスを便利に使わせよう」、あるいは、「商流分析やターゲティング広告によって、ビジネスの利益を上げよう」という流れがありました。このようないわば“中央集権的”なIDの管理法に対して、いま、ユーザが自身のアイデンティティを完全に管理する「自己主権型アイデンティティ/Self-Sovereign Identity (SSI)」という大きなうねりが起きつつあります。 この SSI の体系の中において、個人や組織を識別する識別子が「DID (Decentralized Identifier)」です。SSI/DIDを用いれば、たとえば、「難民にデジタルIDを付与して社会生活を送りやすく」したり、「大学が将来廃校になったとしても、有効(証明可能)な卒業証明書や成績証明書を発行できる」ようになります。 またデジタル庁の創設に象徴されるように、社会全体のDX (デジタルトランスフォーメーション) は加速しています。またマイナンバーの活用拡大もデジタル庁を中心に模索されつつあり、「2030年にマイナンバーはどうなって(管理されて)いるのか?」も、気になるところです。そうした環境の中、このセッションでは、ともすれば関心が薄れがちな「ID」の管理に関して、一石を投じ取り上げます。まず「SSI/DIDとその関連技術や応用をめぐる現状」を解説し、ついで「社会のDXが進んでいく中での、個人や組織のデジタルなアイデンティティの望ましい扱い方」や「そのためのトラストの基盤」について、参加者のみなさんとともに考えます。 <要旨> ・分散型ID (DID)/検証可能な属性証明 (VC : Verifiable Credential) の実証実験の紹介を通し、何ができるかを解説 ・SSI/DID や VC をめぐる技術の標準化動向 ・自己主権型アイデンティティがもたらす経済の転換