このレポートは、2020〜2026年開催の「請求書DX」に関連する講演をもとに作成されています。掲載講演の関心は、テレワーク対応と電子化から、法制度対応、さらに業務全体の自動化と経営判断の迅速化へ移っています。一貫しているのは、紙・手入力・属人的な請求書処理を減らし、経理人材を付加価値業務へ振り向ける問題意識です。近年は特に、AI(人工知能)による判断支援と、請求・支払データを経営に接続する議論が増えています。
2026〜2025年(AI活用と現場起点の生産性改革)
人手不足と熟練者の知見継承は、間接業務だけでなく現場業務でも継続的な課題となっています。法制度対応を契機に電子化した後は、導入効果を可視化し、残る手作業をどう減らすかが焦点になりました。生成AIを含むAI活用への期待が高まる一方、例外処理や判断を伴う業務では、人とシステムの役割分担が問われています。経理データの早期把握は、月次決算の迅速化だけでなく経営判断の速度にも関係します。こうした背景のもと、ビズスタに掲載されている講演では、請求書DXを個別の事務削減にとどめず、現場変革と人材活用へ結び付ける論調が中心です。田口真司氏はパナソニック ホームズ株式会社で、請求書受領業務改革により年間8800時間の工数を削減し、人にしかできない「考える仕事」へ移す取り組みを示しました。原雄太郎氏と桐山誠史氏は旭化成株式会社におけるConcur×WalkMeの5年の実践を扱い、効果の可視化・最大化と、請求書処理に残る手作業・判断領域へのAI活用を論点にしています。2025年には、鷲見祐典氏が東邦ガスエナジーエンジニアリング株式会社のガス機器O&M(運用・保守)現場で、invoiceAgent 電子取引を用いた見積書・請求書のデジタル化を技術承継と変革の第一歩として提示しました。對馬睦氏のSansan株式会社によるBill Oneの講演は、紙・手作業が月次決算と経営判断を遅らせる問題を取り上げ、請求書・領収書処理を経営企画に資するデータ基盤へ変える位置付けです。田中一基氏の株式会社BPORTUSも、請求・代金回収のデジタル化を、ペーパーレス化、自動化、コスト削減を通じて経営へ貢献する成功事例として説明しています。
2024年(制度対応後の包括的な経理業務改革)
インボイス制度開始後、企業では制度に適合した運用を定着させながら、増加した事務負荷をどう抑えるかが課題となりました。電子帳簿保存法への対応も含め、単に電子ファイルを保存するだけでは、入力、確認、承認、送付といった周辺業務の非効率は残ります。郵便料金値上げは紙の請求書発行・送付コストを見直す契機となりました。AI-OCR(画像から文字を読み取る技術)の実用化が進み、受領・発行・経費精算を別々に最適化するのではなく、データを連携させる重要性が高まりました。こうした背景のもと、ビズスタに掲載されている講演では、法対応の次に、経理業務全体を対象とした自動化、コスト最適化、意思決定の迅速化が語られています。對馬睦氏はSansan株式会社のBill Oneについて、紙で届く請求書をゼロにする経理革新、また新規事業として2020年に正式リリースされたインボイス管理サービスの成長と展望を説明しました。坂元翔花氏の株式会社invoxは、請求書の受取・発行・経費精算をinvoxシリーズで一体的に効率化し、値上げや不利なプラン変更なく運営してきたコストパフォーマンスを訴求しています。江川義日出氏のAI inside株式会社は、市場シェアNo1のAI-OCRを用い、月末月初の入力集中、残業、他業務に注力できないという受発注業務の課題を扱いました。金澤麻由氏のピー・シー・エー株式会社は、全取引先を一度に電子化できなくても始められるPCA Hub 取引明細を、郵便料金値上げへの対応策として紹介しています。岡野健三氏の株式会社クレディセゾンは、与信審査、請求書発行・送付、入金管理、督促を担うセゾンインボイスにより、資金繰りと未回収金、請求・督促業務の負担を減らすBtoB決済改革を提示しました。河村直紀氏の株式会社マネーフォワードは、小売業の印刷、封入封かん、送付をシステム化する論点を示し、源栄公平氏の株式会社インフォマートは請求書デジタル化を郵送代節約と業務効率化に結び付けています。
2023〜2022年(インボイス制度対応から業務フロー再構築へ)
2023年10月のインボイス制度開始を控えた時期は、適格請求書の発行・受領、登録番号の照合、保存要件への対応が経理実務の大きなテーマでした。電子帳簿保存法への対応も重なり、紙、PDF、メールなど受領形式が混在する環境で、正確な保存と会計処理を両立する必要がありました。制度対応の期限が近づくにつれ、単発のツール導入ではなく、発行から受領、承認、支払、保管までの業務フローを再構築する必要性が意識されました。Peppol(電子文書を企業間でやり取りするための国際規格)対応のデジタルインボイスも、中長期の取引デジタル化を見据える選択肢となりました。こうした背景のもと、ビズスタに掲載されている講演では、制度の解説と直前点検から、AI-OCR、自動判定、会計・ERP連携、顧客企業の導入成果まで、具体的な実装方法が幅広く扱われています。掲載講演で最も多く登場するプレイヤーはSansan株式会社とBill Oneであり、柴野亮氏、柘植朋美氏、對馬睦氏、村畑朋花氏らは、受領請求書のデジタル化を経理DXと経営改革の入口として繰り返し説明しました。SCSK株式会社の堀江重行氏は、SAP ERP、Bill One、intra-martの連携による請求書管理の負荷軽減を示し、Bill One×SAPとSCSK株式会社のAdd-Valueシリーズの連携も取り上げました。荒井梓氏の東海東京サービス株式会社は、1社での成功を7社へ展開し、請求書業務を480時間削減した事例を紹介しています。前田愛子氏のケンミン食品株式会社は、コロナ禍で露呈した紙請求書の限界を越え、経理の働き方を変えた軌跡を語りました。株式会社LayerXはバクラク請求書について、受取から会計・支払処理までの時間を80%減らす構想や、適格請求書の自動判定、PCA会計との連携を提示しました。株式会社インフォマート、株式会社ラクス、株式会社マネーフォワード、株式会社TOKIUM、sweeep株式会社、ファーストアカウンティング株式会社も、発行・受領、OCR、保管、支払を横断するサービスを紹介しています。2022年には、松岡俊氏の株式会社マネーフォワードが経理部門の残業時間45%削減を示し、横井朗氏の株式会社Deepworkはinvox受取請求書で99.9%正確にデータ化すると説明しました。西武ホールディングスでは、浅野雅明氏と中村玲氏が、2019年からの会計システム刷新の一環としてinvoiceAgentをグループ23社で利用する取り組みを紹介しました。
2021〜2020年(コロナ禍のテレワーク対応から電子化の基盤整備へ)
新型コロナウイルス感染症の拡大は、出社して紙の請求書を受け取り、押印・承認・保管する経理業務の制約を明確にしました。テレワークを継続するには、紙の受領・発行だけでなく、支払申請、承認、経費精算、債権管理までを見直す必要がありました。改正電子帳簿保存法と将来のインボイス制度は、電子保存と電子取引を前提に業務を再設計する制度的な後押しとなりました。この時期には、電子化を単なるペーパーレス化ではなく、データ化、自動化、外部システム連携へ進める基盤づくりが課題でした。こうした背景のもと、ビズスタに掲載されている講演では、テレワーク阻害要因となる紙請求書をなくし、請求書受領から経理DXを始めるという初期段階の論調が強く見られます。木村慎氏の株式会社インフォマートは、電子請求の現状と2023年のインボイス制度を見据えた環境整備を扱い、BtoBプラットフォーム請求書による企業間取引の電子化を示しました。柴野亮氏らSansan株式会社は、Bill Oneで「あらゆる請求書をオンラインで受け取る」ことを起点に、紙の業務フローを再構築する必要性を説明しています。村上真喜子氏、榊原健司氏が登壇した東映アニメーション株式会社の事例では、Bill Oneユーザとして改正電子帳簿保存法とインボイス制度を先取りする請求書受領DXが扱われました。丸山綾子氏、織田智恵氏、末原千絵氏の三井住友ファイナンス&リース株式会社は、invoiceAgent TransPrintによる紙帳票のデジタル配信へ移行し、年3000万円削減を見込む取り組みを紹介しました。牧迫寛之氏の株式会社LayerXは、LayerXインボイスで「手入力ゼロ」を掲げ、AIを活用した受領請求書処理を提案しています。藤城英佑氏の株式会社ラクスは、楽楽明細によって印刷、三つ折り、封入、発送を廃止し、生産性を20倍以上に改善したと説明しました。2020年には、京セラコミュニケーションシステム株式会社と三菱UFJファクター株式会社が、SVF TransPrintを用いて、場所の制約を受けない請求書電子化と帳票Web配信・印刷BPOのハイブリッド運用を紹介していました。
全体を通じて、掲載講演ではSansan株式会社のBill Oneが最も頻出し、株式会社LayerXのバクラク請求書、株式会社インフォマートのBtoBプラットフォーム請求書、株式会社マネーフォワード、株式会社コンカーなどが、請求書DXを支える主要なプレイヤーとして登場します。請求書DXは、コロナ禍の出社制約と紙削減から始まり、制度対応を経て、支払・債権管理・会計連携・AI活用を含む経営基盤の改革へ広がった構図です。
※登壇者の氏名・所属・役職は講演開催当時の情報です。現在の所属・役職とは異なる場合があります。
編集者:ビズスタAI編集チーム
データソース:ビズスタ掲載中の請求書DXの調査レポート関連の講演情報
5年にわたるConcur×WalkMe活用の実践から、生産性はどう変わったのか。効果可視化・最大化の取り組み事例を紹介します。また、手作業や人の判断が残る請求書処理をテーマに、AIを活用した生産性向上、現段階で自動化できる支払業務領域はどこまでか?を共有します。
5年にわたるConcur×WalkMe活用の実践から、生産性はどう変わったのか。効果可視化・最大化の取り組み事例を紹介します。また、手作業や人の判断が残る請求書処理をテーマに、AIを活用した生産性向上、現段階で自動化できる支払業務領域はどこまでか?を共有します。
「DXはどこから始めれば良いのか」と悩む企業は少なくありません。特に、熟練者の経験が重要なガス機器のO&M(運用・保守)現場では、その第一歩が業務変革の成否を分けます。 本セッションでは、invoiceAgent 電子取引による「見積書・請求書の電子化」を出発点に、どのように現場がDXの壁を乗り越え、効率化と長年の課題である技術承継を実現したのか、その過程と成果をご紹介いたします。ウイングアーク製品活用による電子化・可視化が与える現場へのインパクトとは、明日から役立つヒントが満載です。
請求書や領収書処理における紙や手作業の多さは、経理部門の負担となり、月次決算や経営判断のスピードを遅らせます。その結果、経営に必要な数値の把握が遅れ、企業全体の意思決定にも影響を与えかねません。本セッションでは、Sansan株式会社が提供する経理DXサービス「Bill One」による請求書及び経費精算業務のデジタル化についてお話しします。紙文化と属人化を解消し、経理処理の正確性とスピードを高めることで、月次決算の早期化と経営判断の迅速化を実現するアプローチをご紹介します。
Connect to Transform Conference 2025(通称:CONX 2025)-隔たりをつなぐ経営企画へ-
請求書/代金回収業務のデジタル化による変革を具体的な成功事例でご紹介します。 ペーパーレスや自動化によるコスト削減、業務効率化など、貴社の経営に貢献する多様なメリットをご説明いたします。
【Sponsored】Sansan株式会社の新規事業として2020年に正式リリースされたインボイス管理サービス「Bill One」。サービス開始以降、多くのお客様に選ばれ、現在では請求書受領サービスの市場動向調査(※1)においてマーケットシェアNo.1を獲得しています。そこで本セッションでは「Bill One」が急成長した理由と、今後企業が取り組むべきバックオフィスDXのメリットとその効果についてお話しします。 ※1デロイト トーマツ ミック経済研究所「驚異的な成長を続けるクラウド請求書受領サービス市場」(ミックITリポート2023年11月号)
「書類の入力業務にかかる時間・手間を削減したい」 「人がやるべき業務に時間をあてたい」といったお悩み、あなたにもありませんか? 月末月初などに、書類の処理に追われ残業が増えたり他業務に注力できない事に課題を感じていましたら、本講演はお勧めです。 本講演では、注文書、請求書、見積書といった受発注・経理業務において、最新AIを実装したシェアNo.1のAI-OCRがどう効率化を実現できるのか、導入事例と削減効果をご紹介します。 今の業務を少しでも楽にしたいと思われる方はぜひ、ご参加ください。
当社のinvoxシリーズは、請求書の受取から発行、経費精算までを効率化し、経理業務全体を自動化します。サービス開始以来、値上げや不利なプラン変更なく運営を続け、優れたコストパフォーマンスを提供。ユーザー目線での使いやすさを追求し、事業者の生産性や収益力向上を強力にサポートします。本日は、invoxシリーズの特徴と機能について詳しくご案内いたします。
紙でないとダメな取引先がある、電子化はお金がかかりそう… CMなどでよく見かける請求書電子化、興味はあるけれど踏み切れないという会社様も多いのではないでしょうか。 実は、全ての得意先を電子化できなくても大丈夫ですし、コストカットもできるんです! 更にこの秋、30年ぶりに郵便料金が値上げすることから、コストメリットはより向上します。 本セッションでは、『PCA Hub 取引明細』を使った場合どれだけコストカットができるか、どれだけカンタンに電子化できるかをご紹介。 この夏、請求書電子化をして秋の切手代値上げに間に合わせましょう!