このレポートは、2026年開催の「人的資本経営」に関連する講演をもとに作成されています。掲載講演の関心は、採用・エンゲージメントから人材配置、CHRO機能、AIを用いた人材データ活用と投資成果の可視化へ移っています。一貫する問題意識は、人をコストではなく企業価値を生む資本として経営戦略に結び付けることです。近年は特に、人的資本ROI(人材投資の収益性)と労働生産性を測定し、実装につなげる議論が増えています。
2026年(開示対応から人材戦略の実装と成果測定へ)
人手不足や事業環境の変化が続く中、企業には採用だけでなく、既存人材の能力発揮、育成、配置を通じて成長力を高める課題がありました。人的資本に関する情報開示への関心が高まる一方、開示指標を経営戦略や現場の人事施策へどう接続するかが問われる時期です。AI(人工知能)や人材データを活用し、経験や勘に依存しがちな人事判断を補完する技術潮流も進んでいました。また、働きやすさだけでなく働きがいを含むエンゲージメントが、人材定着と組織変革の論点になっています。こうした背景のもと、ビズスタに掲載されている講演では、人的資本経営を理念や開示対応にとどめず、配置・育成・採用・組織運営・投資効果の測定まで実装する論調が中心です。6月、7月の『Talent intelligence Forum』Vol.1 人的資本経営の『実装論』および対談:人的資本経営の『実装論』では、有沢正人氏と岩本隆氏が、人材戦略の策定と実行、CHRO/HRBPの育成・機能強化、育成・採用・異動を組み合わせた動的人材ポートフォリオ、Talent Intelligenceとしての人材データとAIの経営活用を議論しました。9月には、原伸一氏、内田圭亮氏、福田啄也氏が、SOMPOホールディングス株式会社における人的資本ROIと労働生産性の可視化をテーマに、人的資本経営の成果を測る視点を提示しています。人材の把握と配置では、千秋毅将氏が360°サーベイ「PRO-MOA(プロモア)」を用い、埋もれていた人材の発掘と経営戦略に向けた戦略的配置を示しました。組織面では、山田博之氏が社員に「選ばれる」組織をつくるエンゲージメント向上の7要素、ならびに働きがい×働きやすさを扱っています。AIを軸にした組織変革については、川口義之氏と根耒伸至氏が、JX金属株式会社とハウス食品グループ本社株式会社の立場から、人の力の最大化と経営戦略の実現を論点化しました。採用では、山根康平氏が中小企業の採用力向上と人的資本経営に関する実践事例、コンサルティングでの知見を紹介し、「採用するために、採用を辞める。堀江貴文が語る「新・経営戦略」」に接続しています。さらに永島寛之氏は、ニトリ HD・レノバ CHROが実践する10社の顧問契約を題材に、外部人事プロへの依頼と活用の成功・失敗を扱い、人事機能を社内外の専門性で補う実務課題を取り上げました。
全体を通じて、掲載講演では有沢正人氏と岩本隆氏による「実装論」が繰り返し登場し、人的資本経営を開示から企業価値向上へ転換する位置づけが明確です。SOMPOホールディングス株式会社の成果可視化、株式会社リクルートマネジメントソリューションズの「PRO-MOA(プロモア)」、組織エンゲージメントやAI活用の議論は、人材戦略を測定可能で実行可能な経営課題として扱う構図を示しています。
※登壇者の氏名・所属・役職は講演開催当時の情報です。現在の所属・役職とは異なる場合があります。
編集者:ビズスタAI編集チーム
データソース:ビズスタ掲載中の人的資本経営の調査レポート関連の講演情報
外部の人事プロを「正しく使う」ための依頼術と成功・失敗の実例〜ニトリ HD・レノバ CHRO が語る、10社の顧問契約で実践する人的資本経営〜
360°サーベイ「PRO-MOA(プロモア)」を活用し、これまで埋もれていた人材を発掘するとともに、経営戦略の実現に向けた戦略的配置を行うための具体策を提示
【アーカイブ配信】科学的人事・AI エグゼクティブフォーラム2026AI新時代の到来による人事の分岐点~企業成長を駆動する人事戦略~
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